金属からセラミックへ・アマルガム・金パラ・金合金・レジン・セラミックス・CEREC system

千葉県千葉市の加藤歯科・歯科医・歯医者では審美治療メタルフリー治療矯正治療歯周病治療インプラントの治療を行っております








2006.10

秋風のお便り。はるばる来たぜ、 第4号!!
 皆さん、お元気ですか?お陰様で「究極の歯科医療を目指す!」プロジェクトは少しずつ前進しているつもりです。しかし、「究極の歯科治療とは何か?」を明確にしておかないと前進なのか後退なのかわかりません。
 私が思う究極の歯科医療とは・・・。たぶん、歯医者が治療する必要のない口腔を育て上げ、維持管理することだと思います。このためには乳歯の時代からケアして行く必要があります。 月に1回来てPMTCしても残りの29日間の環境が悪ければ確実に虫歯や歯周病になります。29日間良い環境を作り出すために必要なことはなんでしょう。それは「教育」「啓蒙」なんだと思います。子供と母親にキチンとした教育が必要です。 しかし、実際にアンケートを採るとほとんどの人が「知識」はあります。でも、行動が伴わない。なぜ?どうして?みんな、「自分は大丈夫!」と思っているんです。自分には関係ないと思っているんです。 あれっ?こんな話どこかで聞いたことがありませんか??そうです、「飲酒運転」です。今話題の飲酒運転と全く同じ心理構造なんです。 自分はまだ大丈夫、自分はまだ大丈夫と思っていてもいつか必ず事故を起こす。 社会的地位も家族も財産もすべて無くしてしまうまで、「自分だけは大丈夫」と自分を欺し続ける。 虫歯も歯槽膿漏も同じです。自分はまだ大丈夫、まだ大丈夫と思っていながら、いつか虫歯になり、歯が1本抜けてくる。1本抜けるとあとは雪崩のように・・・。

 これを読んで「ドキッ!」とした方、是非、今から始めましょう。明日よりも今日の方が間違いなく良い状態なのですから。

かとう歯科 院長 加藤昭浩

ひとこと・・その11  鹿児島時代の話(学生生活編)

 前回の「鹿児島に行くことになった話」は一部に高い評価をいただきました(笑)。
ありがとうございました。時間をおくと続きがわからなくなってしまうので、今回、続きを書かせて頂きます。学生生活編、医局時代編の三部構成で続けて行きたいと思います。鹿児島での話を理解して頂ければほぼ私の全体像が見えてくるんじゃないかと思います。
 学生時代は鹿児島市の郡元(こおりもと)というところに住みました。小さなキッチン(流しとコンロがある場所という意味)のある部屋を希望して探しましたが、大学近辺には三畳一間のタコ部屋のような物件ばかりでした。結局、自転車で10分程度の距離のところに2Kで14500円風呂ナシ共同トイ レという物件を借りました。今から思えば、風呂はない、トイレはない、音は筒抜けでプライバシーはない、まことにひどい物件ですが、当時はそれでも上等な物件でした。食事は外食半分、自炊半分の生 活をしていました。大学の周りには下宿者向けの定食屋がたくさんあり、自炊する必要はないのですが、やはり飽きるのです。自分の食べたいものというか、自分の味というか、なにか不満を感じたら、 自分で料理を作るような生活でした。今から考えれば非常にレベルの低いメニューですが、「エサ」から脱出ができれば、何でも良かったのかもしれません。

 自炊のルーツは、たぶん父親の影響です。父親は一時期単身赴任していたことがありました。父親は 家庭で料理を作ることはありませんでしたが、味の判る人でした。土曜日の夜には単身赴任の友人たち と麻雀をしながら片手間に調理できるメニューを作っていました。得意料理はビーフシチューでした。父 はどこからか圧力鍋を買ってきて、それを使って調理していました。肉や野菜を入れて加熱し、煮えた ところでカレーのルーやビーフシチューのルーを投入して完成!というものです。そんな作り方でも、一 緒に麻雀するメンバーには非常に好評だったらしく、その中の一人は奥さんに「ああいうビーフシチュー が食べたい!」と言ったそうです。後日、父親の唯一の料理自慢でした。千葉の実家にも父親は圧力鍋 を購入してきて、母親に使わせようとしました。しかし、母親はそういう「ハイテク」は苦手な人でほ とんど使われることはありませんでした。母親の名誉のために言うと、女性にはちょっと重いですね。 私は一年浪人をしたのですが、浪人中は毎日家に帰ると夕食の手伝いをしていました。母親からすれ ば、「料理なんかしないで勉強しろ!」と思っていたでしょう・・・。 でも、浪人生が気休めに料理し ていると思って、いろいろと教えてくれました。

千葉の歯医者  私が鹿児島で一人暮らしを始めて1ヶ月ぐらい経った頃、近所のダイエーで台所用品のバーゲンがあり圧力鍋が売りに出ていました。価格は今でも覚えていますが 12300円が8400円でした。それでも一人暮らしの学生には超高価な商品ですが、なぜか私は迷うことなく購入し、早速カレーやビーフシチューを作り始めました。 鹿児島で6月はほぼ真夏近い気候です。暑い時期に嬉々として冬のメニューを楽しんでいました。
お気に入りのメニューはクッキングブックにレシピがあった「豚の角煮」でした。豚バラを加圧して下ゆで し、砂糖と醤油で煮込むいわゆる東波肉(トンポーロウ)の簡易版なのですが、定食メニューにない味 に満足して、気が向くと作っていました。私の部屋のキッチンは大家さんの家の玄関に隣接していまし た。ですから、私の部屋からシューシューと蒸気の上がる音や美味しそうな匂いが充分に届く位置でし た。大家さんは自炊をする新入生に興味津々で、時々部屋に様子を伺いにやってきて、床に落ちている セブのクッキングブックを眺めていました。1年ぐらい経った、ある日、お隣からもシュルシュルと音 がしはじめたと思ったら、圧力鍋で玄米を炊くようになっていました。

 今から25年前の話ですので、コンビニは無く、電子レンジも安価ではなく、冷蔵庫も「冷凍冷蔵庫」 はまだまだ高価でした。当然、冷凍食品など活用できません。そんな時代でしたから、食事付きの下宿 がほとんどでした。料理のできないのは「男」だけと思われていた時代に、料理のできない「女」の一 人暮らしは悲惨でした。毎日夕方になるとダイエーの食堂街に若い女性が訪れ、一人で食事をしていく。 封建的な鹿児島では、女性が一人で外食をするなんて・・。
その女性は歯学部の同級生でした。家内で はありません、念のため(笑)。

 ある日、同じアパートの友人で福岡出身の男の部屋に、自宅で使わなくなった旧式の電子レンジが やってきました。私の実家には存在していませんでしたので、電子レンジを使うのは初めてでした。冷え た御飯に昨日作った冷えたままのカレーをかけ、庫内に入れ、タイマーをセットし、スイッチを入れま した。中で回転する皿を眺めていると「チン!」。中から取りだした皿が温かくなっていたときの驚き は今でも覚えています。学部は違いましたが、この男とはなぜか気が合い、お互いの部屋を行ったり来 たりして生活していました。彼の部屋にはたくさんの画集があり、また、かなりこだわって美味しい珈 琲を入れるので、夜になるとよく彼の部屋にいきました。JAZZのレコードを聴きながらショートピース を吸い、画集を見ながら珈琲を飲み、特に熱い議論があるわけでもなく、優雅に時間の無駄遣いをして いました。ちょっと空腹を感じるとウイスキー(贅沢にもホワイトじゃなくスーパーニッカ)を持って 私の部屋に移動し、半熟のゆで卵やホットサンドやホットケーキをつくりました。昔の学生の定番であ る麻雀はなく、どちらかの部屋に女性が訪ねてくることもなく、画集を見ながら酒を飲み、缶ピースを 吸って、優雅に時間を使って過ごしていました。彼は絵を描くのが趣味で、たまに油絵 を描いていました。筆をあまり使わずにナイフで描いていました。ヒマなときは、な ぜか私の足をスケッチしてました。常人よりも人差し指が長いのが珍しかったようで す(笑)。彼はよく映画を見に行っていました。映画を見に行く以外に天文館(鹿児 島の歓楽街)に一人でいくことはありませんでした。たまに二人で一緒に映画に行 き、そのまま飲みに出ました。夜の天文館を男二人で歩くと必ずお色気系の客引きが声を掛けます。客 引きから逃げるように歩きますが、たまには声を掛けられます。二人のうち、どっちが多く声を掛けら れるかを競いました。当時は多く声を掛けられた方が負けでした。

千葉の歯医者  彼は建築学科だったので、図面書きや模型作り、完成予想図などの宿題もありました。部屋に持ち帰ってやっていることもあり、間に合わないときには私が手伝うこともありました。私もそういうこと が好きですので、かなり積極的に手伝いました。4年目の卒業制作は文化ホールの設計でした。 1m四方の台の上に紙細工で模型を作ります。当然、メインの建物は彼が造るのですが、回りの公園のベンチや自転車置き場などなどは私の担当です。ベンチに恋人達を配置したり、散歩中の犬、ジョギング中のおじさんなど、楽しく遊んで作っていました。ある時期、彼が熱心にパース(建物の概観を描いて着色した風景画のようなもの)を描いていました。 メインの建物、回りの樹木と描いていって、背景の空だけ、まだ色づけされていませんでした。翌日彼の部屋に行くと、入り口付近にイギリスのロマン主義の画家ターナーの画集が置いてありました。 千葉の歯医者 何気なく描きかけのパースを見ると空が描き込まれていました。建築設計の課題なんですから、空なんてどうでも良いはずなのですが、彼はそのどうでもいい空に、こだわってターナーの「空」を描いていました。彼のパースを見て、私が「ターナーじゃない?」と言うと、博多弁で「わかると?(わかるのか?)わかると?」と興奮し て、握手を求めてきました。彼と親しく生活した4年間で絵の面白さがわかるようになりました。 毎日何気なく眺めていた、桜島の噴煙と雲が織りなす風景は、まさにターナーの絵のようであったなあと、懐かしく思う今日この頃です。 医局時代編につづく。

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金属からセラミックへ・・・歯科材料の話
そろそろ歯科の世界に入って25年になります。良い材料、悪い材料、使いたい材料、使いたくない材料、いろいろとありました。私のやりたい治療と患者さんの受けたい治療が一致するような材料とは何 か。究極の歯科医療の中核を担う材料について「ひとこと」してみたいと思います。 歯科用材料はいくつかのクリアしなくてはいけない条件があります。

千葉の歯医者 1.体内で使うのであるから、安全であること
2.長時間使用に耐える強度があること
3.白に近い色であること、目立たない色であること、審美的であること
4,できるだけ安い値段であること
5,技工操作などがやりやすいこと
6,つめものと歯との隙間が少ないこと、適合がよいこと

以上が歯科用材料に求められる基本的な性質です。現在、かとう歯科で使っている材料は数種類ありま す。保険、自費の区別無く良い点悪い点を書いていきたいと思います。材料は大きくいくつかに分かれます。
個別に話をしていきます。

1,アマルガム
アマルガム 近頃はテレビでも取り上げられていますが、一番望ましくないもの は、アマルガムです。アマルガム化とは銀の削片と水銀を強く混ぜる と固体になる現象です。これは錬金術の時代からの遺産です。かとう 歯科では15年ほど前に使わなくなりました。EU諸国ではほとんどの 国で使用禁止です。アメリカでも3つの州で使用禁止になりました。 水俣病は有機水銀が問題ですが、アマルガムは無機水銀です。有機水銀の毒性は非常に悲惨なものがあ ります。無機水銀は神経系に問題を起こします。金目鯛やマグロに大量に含まれることから、妊婦や幼 児はあまり食べないようにという話題がニュースになったのは記憶に新しいところです。近頃流行のデ トックスも、身体に溜まった重金属を排泄することを目的としてます。もしかしたら、一番大きな固ま りは口腔内にあるのではないかと思っています。これは、アマルガムに限らず、すべての口腔内金属に言 えることです。咀嚼しながら徐々にすり減るわけですから、身体に良い金属の方が良さそうですね。

2,金パラ
金パラ 一番よく使われている保険の金属です。正式名称を「金銀パラジウム合 金」といいます。組成は金12%パラジウム20%銀50%、その他の金属 18%です。この金属は日本以外では使われていません。なぜでしょう か?これは無理矢理作り出した合金だからです。どういうことかという と、世界では口に入れる金属は「金」と決まっていました。始めは直接 金を詰めることをしていました。その後、鋳造した金合金を糊付けする 方法が普及しました。国民皆保険制導入時点でこの鋳造法による修復を導入すると材料が金では、非常 に国家負担が大きくなります。そこで、政策的に「代用金属」として作り出されたわけです。それがその まま今日でも使われているのです。日本人の特徴を海外の人が言うときに「メガネ、出っ歯、銀歯」と いうことがありますが、海外では銀歯は珍しいものだからです。日本人は海外の人と交流することが少 ないので、あまり不思議に感じないのでしょう。保険でできる金属は あくまでも「代用金属」であることを御理解ください。

3,金合金
金合金 金属の最後は金合金です。アクセサリーとして使うことが多いのでよく御存知でしょう。「K18」と言うと重さとして18/24の金が含まれている合金ということです。金が75%も入っていると思うでしょうが、 これでも分子量では1:1なのです。金の分子は重いので、18Kでやっと5割なのです。歯科では白金(プラチナ)も合算して20Kや22Kの合金を使います。 堅さが必要な場合はプラチナの量を増やした合金を使います。なぜ、金合金なのか?一つはその物性です。常温で二 つが合わさる唯一の金属であることです。金の粒を叩きあわせていくと金の固まりになります。幾つも 合わせていくとドンドン大きくなるのです。逆の性質である展性も大事な性質です。理論上分子一つ分 の厚さまで叩いて伸びるはずです。この性質は口の中に入ったときに発揮されます。時間が経過して、エ ナメル質が磨れたときに金合金は自分も磨れながら、穴に馴染んでいきます。しかし、金銀パラジウム は堅すぎて、自分が磨れることなく、段差を作ります。そこから歯が欠けたりして脱落や虫歯になりま す。金合金が長持ちする理由です。一説には18年保つと言われています。データの根拠は不明です が・・・。安全性は長い歴史で証明されていますが、結局は「合金」なので、厳密に言うと金属アレル ギーと無縁ではありません。

4,レジン
レジン(プラスチック)についてです。今現在材料として進化しているのはプラスチックとセラミック、ガラス系です。歯に詰めていくプラスチックは細かい石英の粉をプラスチックに混ぜ込んだもので す。耐摩耗性は石英の含有量で決まります。粒子が細かい方が含有量を多くできます。含有量が多いほどプラスチックが少なくなるので、色の変化が起きにくいです。プラスチックは水を吸うのです。同時に色 素も吸うわけです。一時期、プラスチックが環境ホルモン物質なのではないかと騒がれましたが、どうやら、計測ミスだったようです。実際にごくごく少量出るようですが、1回のうがいで充分に除去できる量です。保険でも使える「白い」材料としては重要です。軟らかい 状態のレジンを光で詰めて固めるので、1日で完成します。

5,セラミックス

セラミックス
セラミックス

いわゆる「瀬戸物」です。御存知のように磁器は長い歴史を持っています。
歯の色を再現するためには「白」を出さないといけないわけです。金属では形は作れても色は再現できません。しかし、瀬戸物と言 えば割れるのが当然のものです。だけど、歯のかわりをするわけですから、割れては困ります。歯形の周りにセラミックスの粉をまぶして、焼き固める方法はかなり昔からありました。しかし、良く割れ るのです。その後、七宝焼きのように金属の枠組みを先に作って、その上にセラミックスを焼き付けるものができました(メタルボンド)。
この欠点は金属を使うこと、歯ぐきが下がると縁の金属部分が見えてしまい、格好良くないこと。金属の影響で歯ぐきが黒ずんでしまうこともあります。
近頃は全く金属を使わない方法が進化してきました。 すべてセラミックスでできる方法が欧米では主流になっています。 素材もどんどん開発されてきています。

6,CEREC system
CEREC いわゆるCAD/CAMです。模型あるいは歯を3次元で解析して機械加工させるシステムです。 セラミックのブロックから削り出します。25ミクロンの精度で加工できますので、鋳造以上あるいは同程度に精度の高い技工物ができます。 単独の修復物までですが、インレーからクラウンまで作ることができます。 セラミックブロックの色を合わせれば、なかなか良い感じですが、オールセラミックスには色の再現性は負けます。 前歯はちょっと厳しいです。
しかし、この分野はこれから最も発展する分野だと思います。 機械があれば技工所に出す手間がなくなりますので、早く、安く提供できます。機械が高価(ミニロト程度)なので、もう一度(デジタルレントゲンに続き)清水の舞台から飛び降りなくてはいけないのです。患者さ んにこの悩みをお話しすると、みなさん「先生、買いだよ!買い!!」と言うのです。うちの患者さんはみんなお金持ち!!
これがお手元に届く頃には、たぶん飛び降りてますので、今からでも購入予約してください!!
早期予約割引はありませんので、あしからず・・・。(笑)

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